蔵前から未来を考える
明日を切り拓くデザインの力
アッシュコンセプトが本社を構える東京台東区蔵前に、各界からゲストをお招きして「未来を考える」トークイベント「Kuramae DESIGN HAUS(クラマエ デザイン ハウス)」。代表の名児耶秀美が直球で投げかける問いは、ときに、思いもよらない方向へと話を展開させます。日々の暮らしから地球規模の問題まで、さまざまな角度で交わされる対話は、デザインの新たな可能性を探るきっかけになるはずです。
編集・文 高橋美礼
蔵前から未来を考える 明日を切り拓くデザインの力
アッシュコンセプトが本社を構える東京台東区蔵前に、各界からゲストをお招きして「未来を考える」トークイベント「Kuramae DESIGN HAUS(クラマエ デザイン ハウス)」。代表の名児耶秀美が直球で投げかける問いは、ときに、思いもよらない方向へと話を展開させます。日々の暮らしから地球規模の問題まで、さまざまな角度で交わされる対話は、デザインの新たな可能性を探るきっかけになるはずです。
編集・文 高橋美礼
Date
2023年7月21日[金]18:30-19:30
Guest
株式会社 フォース・マーケティングアンドマネージメント
代表取締役CEO
岩⽥ 彰⼀郎さん
1973年、慶應義塾大学商学部卒業後、ライオン油脂(現・ライオン)入社。1986年、プラス入社。1997年、アスクル代表取締役社長就任。2000年、アスクル代表取締役社長 兼 最高経営責任者就任を経て、2019年に退任後、フォース・マーケティングアンドマネージメントを設立。
Date
2023年7月21日[金]18:30-19:30
Guest
株式会社 フォース・マーケティング
アンドマネージメント
代表取締役CEO
岩⽥ 彰⼀郎さん
1973年、慶應義塾大学商学部卒業後、ライオン油脂(現・ライオン)入社。1986年、プラス入社。1997年、アスクル代表取締役社長就任。2000年、アスクル代表取締役社長 兼 最高経営責任者就任を経て、2019年に退任後、フォース・マーケティングアンドマネージメントを設立。
Event Report
Kuramae DESIGN HAUSの記念すべき第1回にお迎えしたゲストは、「お客様のために進化するASKUL」の創業者であり、現在はスタートアップ事業者などをバックアップなさっている岩⽥彰⼀郎さんです。
トークの前半は、岩田さんによる素晴らしいプレゼンテーションを中心に、アスクルを成功させた当時の社会背景、イノベーションの実例、そしてビジネス思想についてお聞きしました。事業の成長を支えるデザイン経営の理想形が蓄積された例のひとつには、「美しいだけでなく、意味があること」といった岩田さんの信念があります。例えば、アスクルのオリジナル製品のひとつとしてデザインしたポーションタイプのコーヒーフレッシュは、3ヶ月に1度のペースでフタの色を変更する設計になっていますが、それは見た目の楽しさや話題性というよりも、消費期限を視覚的に伝えるという点から実現した仕様でした。アスクルが「“美しい”と“売れる”が共存する」ブランドへと成長を遂げたのは、一見すると些細なことに感じられるこうしたデザインを、軽視せずに追求してきた多くの実績に裏打ちされています。
さらに、アスクルの成功をバネに個人ユーザーを開拓したロハコについても、「お客さまは誰か? 社会最適とはなにか?」と問い続けた先に、岩田さん自身が見出した市場を拡大させてきました。2014年に12社のメーカーとスタートした「ロハコECマーケティングラボ」の取り組みは、最終的に143社が参加する大規模なネットワークとして、従来とは違う個別販売への新たな道筋を開拓する機動力にもなっています。競合という既存の枠組みを超え、日本を代表するメーカーが横のつながりを強固なものとしたことで、「ECをブルーオーシャンへ」と推進させました。
こうしたいくつもの事例を含めながら約50分に及んだ充実のプレゼンテーションの内容をここで全てご紹介するのは避けますが、これからも岩田さん独自のマーケティング手腕によって、社会問題を背景とした新たなビジネスが開かれるに違いありません。
後半は、アッシュコンセプト代表の名児耶秀美との有意義なクロストークへと移りました。その様子をダイジェストでお伝えします。
トークは岩田彰⼀郎さんによるプレゼンテーションでスタート。普段はなかなか拝聴できない貴重なビジネス思想をじっくりと伺いました。
Event Report
Kuramae DESIGN HAUSの記念すべき第1回にお迎えしたゲストは、「お客様のために進化するASKUL」の創業者であり、現在はスタートアップ事業者などをバックアップなさっている岩⽥彰⼀郎さんです。
トークの前半は、岩田さんによる素晴らしいプレゼンテーションを中心に、アスクルを成功させた当時の社会背景、イノベーションの実例、そしてビジネス思想についてお聞きしました。事業の成長を支えるデザイン経営の理想形が蓄積された例のひとつには、「美しいだけでなく、意味があること」といった岩田さんの信念があります。例えば、アスクルのオリジナル製品のひとつとしてデザインしたポーションタイプのコーヒーフレッシュは、3ヶ月に1度のペースでフタの色を変更する設計になっていますが、それは見た目の楽しさや話題性というよりも、消費期限を視覚的に伝えるという点から実現した仕様でした。アスクルが「“美しい”と“売れる”が共存する」ブランドへと成長を遂げたのは、一見すると些細なことに感じられるこうしたデザインを、軽視せずに追求してきた多くの実績に裏打ちされています。
さらに、アスクルの成功をバネに個人ユーザーを開拓したロハコについても、「お客さまは誰か? 社会最適とはなにか?」と問い続けた先に、岩田さん自身が見出した市場を拡大させてきました。2014年に12社のメーカーとスタートした「ロハコECマーケティングラボ」の取り組みは、最終的に143社が参加する大規模なネットワークとして、従来とは違う個別販売への新たな道筋を開拓する機動力にもなっています。競合という既存の枠組みを超え、日本を代表するメーカーが横のつながりを強固なものとしたことで、「ECをブルーオーシャンへ」と推進させました。
こうしたいくつもの事例を含めながら約50分に及んだ充実のプレゼンテーションの内容をここで全てご紹介するのは避けますが、これからも岩田さん独自のマーケティング手腕によって、社会問題を背景とした新たなビジネスが開かれるに違いありません。
後半は、アッシュコンセプト代表の名児耶秀美との有意義なクロストークへと移りました。その様子をダイジェストでお伝えします。
トークは岩田彰⼀郎さんによるプレゼンテーションでスタート。普段はなかなか拝聴できない貴重なビジネス思想をじっくりと伺いました。
Cross Talk Digest
岩田彰⼀郎さんを囲んで、アッシュコンセプト代表・名児耶秀美とのクロストーク。デザインジャーナリストの高橋美礼がファシリテーターを務めました。
高橋
岩田さん、名児耶さん、ありがとうございました。ここから短い時間ですが、トークのファシリテーターを務めます、高橋美礼です。よろしくお願いします。
名児耶
岩田さん、ありがとうございました。岩田さんは、本当に僕が尊敬している経営者のおひとりです。アッシュコンセプトの設立時に、岩田さんは「なんとかなるよ」と励ましてくれ、開業祝いにとても素敵な花を贈ってくれました。思いがけないことで嬉しくて、当時、借りていた4畳半ほどの小さな事務所の、いちばん良い場所に飾りました。ずいぶん長くお付き合いをさせていただいていますが、岩田さんはいつも当たり前のことを当たり前に話してくださるのですが、そこに実行力と行動力があるからこそ、ビジネスで成功なさっているのだと感じています。
高橋
名児耶さんが独立して、ほぼ最初のお仕事が、「アスクル坊や」を樹脂で立体化したロゴマークの製造だったそうですね。もともと、「アスクル坊や」はイラストレーターの有澤眞太郎さんが、プロダクトデザイナーの宮城壮太郎さんのディレクションでデザインしたものでした。それをアスクル本社に設置するために立体で樹脂成形するという仕事を、岩田さんから頂いたなんてお話もあったという。
今日のトークイベントは、いかがでしたか?
名児耶
あのアスクル坊やの立体化は大変でした。(笑)
岩田さんが「アスクル」を事業化して、確かあれはビックサイトの展示会でお会いした時のことだと思うのですが、「あれ岩田さん! なぜここに出展しているんですか!?」って驚いていたら、ニコニコ近寄ってこられて「名児耶くん、売り上げが3億円いったんだよ!」「えぇ! 3億円ですか! もう立派な事業ですね!」という会話をしたと思っていたら、あれよあれよという間に、100億円を超えた? 4500億円までいっちゃった! でも普段ずっとお会いさせていただいても岩田さんご自身は何も変わらないんですね。なぜこんなことができてしまうのだろうっていつも感じていました。今日のプレゼンテーションを拝聴して、やはり岩田さんは揺るぎない信念を持ってやり続けられた方なのだと実感しましたね。それなら続けることで「僕らにもチャンスはあるんじゃないか!」と勝手に思った次第です。
一般的に、企業のことを「マイナー」とか「メジャー」とかって呼び方をしますよね。最近、メジャーになることは本当にいいのかなって、僕は感じています。ある番組でテーマになっていたときに、とある出演者は「自分はインディーズで行きたい」と話していたのも聞きました。「独立系」と言うほうが近いかもしれません。誰にも媚びることなく、本当に自分が大切にしていることを曲げずに事業をやる。だから規模に固執しなくて良いんじゃないかっていう考えも、何となく自分の中で生まれています。岩田さんはどう感じていますか?
岩田
あの、先に1点だけ訂正すると、「名児耶くん」ではなくて、いつも「名児耶さん」って呼んでいます。(笑)
「アスクル」は、事業として最初の原体験がないんですけども、お客様のために進化するっていう、本当に狂信的な「お客様主義」でやってきたんですね。ユーザーが欲しいものはどんどん揃えるし、なければ作ってみる。お客様の姿を想像しながら、いろいろな形でメーカーさんと一緒になって商品開発をしてきました。それをひた向きに続けてきたら、何千億円かになってきたというだけで、規模を追求しようとか、売上がすべてだとかは、全く思っていませんでした。ただ当初から、この事業のフィールドなら、それぐらいの規模になるだろうなとは見込んでいました。だから、力まずにできたことかもしれませんし、その結果でしかありません。ただ、本当にお客様のために、という信念はブレずにやってこられたのかなという感覚はあります。
名児耶
その信念をかけたところに大きな市場があったわけですね。そして自然と成長された。
岩田
先ほどのプレゼンテーションで触れましたが、「真空マーケット」と呼ぶように、皆さんが良いサービスを受けてない所に出ていったという点も大きな意味があったでしょうね。
名児耶
本当の意味で、信念を持ったマーケッターだったんですね。
高橋
アッシュコンセプトの展開の仕方にも、岩田さんに刺激を受けてここまで突き進んでらっしゃったっていうところが見える気がします。例えば、メーカーでありながら直営店舗を構えて、実際に売ってみるっていうことも、やっぱり小さなプロダクトを売っていく業界の中においては、割と早い段階でひとつのタブーを突破したように感じています。名児耶さんにとってやはり、岩田さんは偉大な影響者のような存在でしょうか。
名児耶
本当ですね。ただ、僕には大きな「真空マーケット」がなかった……のでしょうね。(笑)でも、自分が視野に入れている世界の中での売り上げは作れていますし、喜ばせたい方々には喜んでいただいていると思います。それが自分の身の丈に合っているのであれば、いいのかもしれません。ただ、うらやましいなとは感じます。(笑) つまり、できることの規模が大きくなってくるという点で。岩田さんがなさった「ロハコECマーケティングラボ」のように、違うメーカーの方々が集まって、互いの知恵を使ってマーケット全体を成長させているのは、本当にすごいですよね。
なんかもう、社長の顔色ばかり気にしている古い企業とかを見ると、僕は心の中で「ふざけんなよ」って思ってしまうことがよくあって。(笑) 百貨店の売り場で「すいません、これ欲しいんですけど」って話しかけている人を遮って、「ちょっと待って、今、社長が歩いているから」なんて言っている場面に出くわすと、「おぉなんだ!?」って思ってしまう。(笑) 社長を喜ばせたいのだったら、買ってくれた人が喜ぶ様子を見てもらうことが一番だって、僕は社内でよく言っています。
それに、流通というものは絶対に、問屋さんも小売店も、実は買った人が喜んでくれて初めて還元される、いわば全員がチームなんですよね。お客様を喜ばせること。何かそこはもう、岩田さんから知らない間に染み込まされていた価値観かもしれません。でもなあ、アッシュコンセプトも、もうちょっと大きくなりたいなあ。(笑)
高橋
今日のトークイベントは記念すべき第1回ということですが、1回目にして最大のゲストが来てしまってこれからお呼びする方には大変だなと思うんですけれど、次回も開催されますか?
名児耶
はい。四半期に一度ぐらいは、開きたいですね。みんなで学びながら、僕らも一生、学んでかないといけないことがあると思っていますから、それを目指しながら蔵前を盛り上げましょう。よろしくお願いします。
Cross Talk Digest
岩田彰⼀郎さんを囲んで、アッシュコンセプト代表・名児耶秀美とのクロストーク。デザインジャーナリストの高橋美礼がファシリテーターを務めました。
高橋
岩田さん、名児耶さん、ありがとうございました。ここから短い時間ですが、トークのファシリテーターを務めます、高橋美礼です。よろしくお願いします。
名児耶
岩田さん、ありがとうございました。岩田さんは、本当に僕が尊敬している経営者のおひとりです。アッシュコンセプトの設立時に、岩田さんは「なんとかなるよ」と励ましてくれ、開業祝いにとても素敵な花を贈ってくれました。思いがけないことで嬉しくて、当時、借りていた4畳半ほどの小さな事務所の、いちばん良い場所に飾りました。ずいぶん長くお付き合いをさせていただいていますが、岩田さんはいつも当たり前のことを当たり前に話してくださるのですが、そこに実行力と行動力があるからこそ、ビジネスで成功なさっているのだと感じています。
高橋
名児耶さんが独立して、ほぼ最初のお仕事が、「アスクル坊や」を樹脂で立体化したロゴマークの製造だったそうですね。もともと、「アスクル坊や」はイラストレーターの有澤眞太郎さんが、プロダクトデザイナーの宮城壮太郎さんのディレクションでデザインしたものでした。それをアスクル本社に設置するために立体で樹脂成形するという仕事を、岩田さんから頂いたなんてお話もあったという。
今日のトークイベントは、いかがでしたか?
名児耶
あのアスクル坊やの立体化は大変でした。(笑)
岩田さんが「アスクル」を事業化して、確かあれはビックサイトの展示会でお会いした時のことだと思うのですが、「あれ岩田さん! なぜここに出展しているんですか!?」って驚いていたら、ニコニコ近寄ってこられて「名児耶くん、売り上げが3億円いったんだよ!」「えぇ! 3億円ですか! もう立派な事業ですね!」という会話をしたと思っていたら、あれよあれよという間に、100億円を超えた? 4500億円までいっちゃった! でも普段ずっとお会いさせていただいても岩田さんご自身は何も変わらないんですね。なぜこんなことができてしまうのだろうっていつも感じていました。今日のプレゼンテーションを拝聴して、やはり岩田さんは揺るぎない信念を持ってやり続けられた方なのだと実感しましたね。それなら続けることで「僕らにもチャンスはあるんじゃないか!」と勝手に思った次第です。
一般的に、企業のことを「マイナー」とか「メジャー」とかって呼び方をしますよね。最近、メジャーになることは本当にいいのかなって、僕は感じています。ある番組でテーマになっていたときに、とある出演者は「自分はインディーズで行きたい」と話していたのも聞きました。「独立系」と言うほうが近いかもしれません。誰にも媚びることなく、本当に自分が大切にしていることを曲げずに事業をやる。だから規模に固執しなくて良いんじゃないかっていう考えも、何となく自分の中で生まれています。岩田さんはどう感じていますか?
岩田
あの、先に1点だけ訂正すると、「名児耶くん」ではなくて、いつも「名児耶さん」って呼んでいます。(笑)
「アスクル」は、事業として最初の原体験がないんですけども、お客様のために進化するっていう、本当に狂信的な「お客様主義」でやってきたんですね。ユーザーが欲しいものはどんどん揃えるし、なければ作ってみる。お客様の姿を想像しながら、いろいろな形でメーカーさんと一緒になって商品開発をしてきました。それをひた向きに続けてきたら、何千億円かになってきたというだけで、規模を追求しようとか、売上がすべてだとかは、全く思っていませんでした。ただ当初から、この事業のフィールドなら、それぐらいの規模になるだろうなとは見込んでいました。だから、力まずにできたことかもしれませんし、その結果でしかありません。ただ、本当にお客様のために、という信念はブレずにやってこられたのかなという感覚はあります。
名児耶
その信念をかけたところに大きな市場があったわけですね。そして自然と成長された。
岩田
先ほどのプレゼンテーションで触れましたが、「真空マーケット」と呼ぶように、皆さんが良いサービスを受けてない所に出ていったという点も大きな意味があったでしょうね。
名児耶
本当の意味で、信念を持ったマーケッターだったんですね。
高橋
アッシュコンセプトの展開の仕方にも、岩田さんに刺激を受けてここまで突き進んでらっしゃったっていうところが見える気がします。例えば、メーカーでありながら直営店舗を構えて、実際に売ってみるっていうことも、やっぱり小さなプロダクトを売っていく業界の中においては、割と早い段階でひとつのタブーを突破したように感じています。名児耶さんにとってやはり、岩田さんは偉大な影響者のような存在でしょうか。
名児耶
本当ですね。ただ、僕には大きな「真空マーケット」がなかった……のでしょうね。(笑)でも、自分が視野に入れている世界の中での売り上げは作れていますし、喜ばせたい方々には喜んでいただいていると思います。それが自分の身の丈に合っているのであれば、いいのかもしれません。ただ、うらやましいなとは感じます。(笑) つまり、できることの規模が大きくなってくるという点で。岩田さんがなさった「ロハコECマーケティングラボ」のように、違うメーカーの方々が集まって、互いの知恵を使ってマーケット全体を成長させているのは、本当にすごいですよね。
なんかもう、社長の顔色ばかり気にしている古い企業とかを見ると、僕は心の中で「ふざけんなよ」って思ってしまうことがよくあって。(笑) 百貨店の売り場で「すいません、これ欲しいんですけど」って話しかけている人を遮って、「ちょっと待って、今、社長が歩いているから」なんて言っている場面に出くわすと、「おぉなんだ!?」って思ってしまう。(笑) 社長を喜ばせたいのだったら、買ってくれた人が喜ぶ様子を見てもらうことが一番だって、僕は社内でよく言っています。
それに、流通というものは絶対に、問屋さんも小売店も、実は買った人が喜んでくれて初めて還元される、いわば全員がチームなんですよね。お客様を喜ばせること。何かそこはもう、岩田さんから知らない間に染み込まされていた価値観かもしれません。でもなあ、アッシュコンセプトも、もうちょっと大きくなりたいなあ。(笑)
高橋
今日のトークイベントは記念すべき第1回ということですが、1回目にして最大のゲストが来てしまってこれからお呼びする方には大変だなと思うんですけれど、次回も開催されますか?
名児耶
はい。四半期に一度ぐらいは、開きたいですね。みんなで学びながら、僕らも一生、学んでかないといけないことがあると思っていますから、それを目指しながら蔵前を盛り上げましょう。よろしくお願いします。
会場へお越しくださったのは、蔵前の元気な経営者やデザイナーの方々。懇親会では、蔵前JPテラス1階にある「TRASPARENTE」によるフードとスパークリングワインを囲んで楽しい時間となりました。
会場へお越しくださったのは、蔵前の元気な経営者やデザイナーの方々。懇親会では、蔵前JPテラス1階にある「TRASPARENTE」によるフードとスパークリングワインを囲んで楽しい時間となりました。
Nagoya’s Opinion
アッシュコンセプト 代表取締役 / デザインプロデューサー
名児耶 秀美
武蔵野美術大学造形学部卒業、ペア・シュメルシュア(デザイナー)のもとでアシスタントを経て、㈱髙島屋宣伝部、㈱マーナ専務取締役企画室長として、経営・商品開発・プロデュース・マーケティング・デザイン戦略に携わる。2002年 アッシュコンセプトを設立。生活者とデザイナーが楽しめるモノづくりをめざし、デザイナーとのコラボレートブランド「+d (プラスディー)」をはじめ、様々な製品を発信。ジャパンブランド・地場産業振興コンサルティング等も手掛ける。2012年には直営のプロダクトショップ「KONCENT」をオープンし、現在国内外に店舗を展開している。
Nagoya’s Opinion
アッシュコンセプト
代表取締役 / デザインプロデューサー
名児耶 秀美
武蔵野美術大学造形学部卒業、ペア・シュメルシュア(デザイナー)のもとでアシスタントを経て、㈱髙島屋宣伝部、㈱マーナ専務取締役企画室長として、経営・商品開発・プロデュース・マーケティング・デザイン戦略に携わる。2002年 アッシュコンセプトを設立。生活者とデザイナーが楽しめるモノづくりをめざし、デザイナーとのコラボレートブランド「+d (プラスディー)」をはじめ、様々な製品を発信。ジャパンブランド・地場産業振興コンサルティング等も手掛ける。2012年には直営のプロダクトショップ「KONCENT」をオープンし、現在国内外に店舗を展開している。
経営者として心から尊敬するアスクル創業者、岩田彰一郎さんをお招きしました。
プラス株式会社の一事業としてスタートしたアスクルが、瞬く間にトップまで上り詰めたその裏側には、真空マーケットという市場の読みとユーザーの利便性に基づいた信念が、デザインという表現方法を通してユーザーと繋がった成果だったと、改めて岩田さんからご教示いただきました。
ひとことで言うと簡単に聞こえますが、その過程には、既存業態からの軋轢や逆風も乗り越えてきた強い“大義”を感じました。
企業とは、その大小ではなく、社会性と存在意義をもって行うことが重要かつ必要となるのではないでしょうか?
アスクルのような規模の企業が産まれることは、経営としては一つの醍醐味であり、社会から求められる事業となりえるのですが、売り上げ主義だけでない事業の社会性や存在意義をしっかり持つことが、経営としての本質なのではないかと感じました。
“大義”がない事業は、単なるお金儲けの手段になってしまうと、コロナ禍を経て、我々は、気づかされているのではないでしょうか?
そしてそこに表現される“大義”のデザイン、それが、表層的なものに陥らず心のこもった、皆が必要とするDESIGNであると確信しました。
名児耶 秀美
経営者として心から尊敬するアスクル創業者、岩田彰一郎さんをお招きしました。
プラス株式会社の一事業としてスタートしたアスクルが、瞬く間にトップまで上り詰めたその裏側には、真空マーケットという市場の読みとユーザーの利便性に基づいた信念が、デザインという表現方法を通してユーザーと繋がった成果だったと、改めて岩田さんからご教示いただきました。
ひとことで言うと簡単に聞こえますが、その過程には、既存業態からの軋轢や逆風も乗り越えてきた強い“大義”を感じました。
企業とは、その大小ではなく、社会性と存在意義をもって行うことが重要かつ必要となるのではないでしょうか?
アスクルのような規模の企業が産まれることは、経営としては一つの醍醐味であり、社会から求められる事業となりえるのですが、売り上げ主義だけでない事業の社会性や存在意義をしっかり持つことが、経営としての本質なのではないかと感じました。
“大義”がない事業は、単なるお金儲けの手段になってしまうと、コロナ禍を経て、我々は、気づかされているのではないでしょうか?
そしてそこに表現される“大義”のデザイン、それが、表層的なものに陥らず心のこもった、皆が必要とするDESIGNであると確信しました。
名児耶 秀美